哀れな男性の虚栄、ある日の合コンにて
私は好きな仕事をやれていて、好きなものを買えて、休日は彼と一緒に過ごして幸せです。
毎日が新しい事の発見、あるいは変わらないことの安心感に、日々充実感を味わっています。
彼との結婚
27歳といえば結婚適齢期かもしれませんが、まだ彼との結婚は考えていません。
私も彼も中堅社員へと上る今が一番のチャンスで、重要なプロジェクトを任されているなど、結婚ならいつでもできるから、という理由で仕事に集中し、結婚は落ち着いた頃にしたいねと話しています。
今大事にしたいのは結婚願望よりも、キャリア。その価値観が私と彼に共通する、お互いを好きな部分であり、求めている部分です。
合コンで噛み合わない会話
しかし、ある日先輩との付き合いで、合コンに行ってきました。
彼のいる私にとってはあまり気乗りしない話でしたが、お世話になっている先輩からのお誘い。
彼には一応先輩の頼みだからと断りを入れ、彼もわかってくれたので、必ず終電で帰るという約束をして、合コンへ行くことにしました。
そこで出合ったのは、極々平凡な男性たち。
それなりにルックスも良く、背も高くて全員がモデルのような、俳優のようなオーラを出しています。
年収もそれなりに高く、車も外車を幾つも保有。
どうやら社長さんばかりのようで、食事をしたお店も男性の一人が片手間で開いているというお店でしたが、かなり本格的なお店でした。
しかし何かがおかしい。どこか違和感がある。微妙にずれる話のテンポ。
何というか、どこか辻褄の合わない部分が多い気がしたのです。
恐ろしいネット社会の洗礼
それがわかったのはその合コンから一週間ほど過ぎてからでした。
誘ってくれた先輩が血相を抱えて私の元へやってきたのです。
「これ見て!これ、ルリカじゃない!?」
と、スマホの画面を見せられると、なんとそこにはその時にいた男性の一人と撮ったツーショット写真。
もちろん合コンのノリで隣の席に座った男性と撮ったもので、私も覚えています。
その時は何も考えず、「記念に写真撮ろうよ」と声を掛けられたので、それこそ何も試案することなく一緒に撮ったのですが、そのキャプションに驚きました。
「俺のファンの子らしい。たまたま友達と飲んでいたら突然話しかけられて、写真を撮りました。その子も喜んでくれたし、俺も嬉しかったよ。ありがとう!」
そしてそのコメント欄には、
「○○(男性の名前)がプライベートで飲んでるのにわざわざ話しかけに行くなんて、ファンとして許せない!」
「この子、ちょっと顔がいいからって許されてるとでも思ってるでしょ。意地汚い~」
など、知らないところで私は誹謗中傷を浴びていました。
その男性は私をかばうコメントを返していましたが、私にはまったく意味がわかりません。
よくよく調べてみると、あの時いた男性全員が売れないバンドマンで、一部熱狂的なファンがいる様子。
あの時の合コンで感じた違和感。
片手間で飲食店を開けるほどの社長さんなのに庶民的すぎる物事の考え方や、たまに出てくる自信のない発言。
全てが嘘でした。
なんとなく、可哀相だなぁ…と思い、誹謗中傷している熱狂的なファンの方たちも、何だか哀れに思えてしまいました。